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(第2回)「ハイブリッドとうごうシリーズ」のさらなる優位性と使用上の注意点

はじめに

今回は、「ハイブリッドとうごうシリーズ」のことを別の角度から説明していくことにしよう。
この品種のことを、正しく知ってもらった上で、みなさんに有効活用してもらいたいからの。

2-a. 優れた直播適性

いね爺、直播栽培を試してみようと思っているんだけど・・・。
苗がきれいに生え揃わなかったり、
雑草が抑えきれなかったりする話を聞くと、何だか恐ろしくて。

うむ。初めて試す生産者はみな、芽が出てくるまで心配でたまらないそうじゃからの。「ハイブリッドとうごうシリーズ」は、そんな不安を少しは和らげてくれるかもしれんぞ。
乾田直播、湛水直播のいずれにおいても、上手に使っている生産者が増えておるからの。

いいお話だけど、どういうことでしょう?

「ハイブリッドとうごうシリーズ」は、播種後に芽が動き出すのが早くて、苗立ち性に優れるのじゃ。わかりやすく言うと、一般品種と比べて葉が1枚早く出るイメージじゃな。
種が深く入ったりして土壌環境が不安定な場合にもよく生え揃うと評判じゃ。

なるほど。
他の品種と比べて、安心して直播に取り組めるってわけね~
収量性の差はあるんですか?

まだ正確な比較はできてはおらんが、移植栽培と比べて遜色ないと思うておる。
しきゆたか生産者さんに25年度の最高収量を聞き込みしたが、直播栽培では最高750kg/10a、移植栽培では最高906kg/10a、
それぞれ獲れたそうじゃ。そこまで悪い数字ではなかろう。
これから挑戦する生産者が増えれば、より安定していくじゃろうしの。

でも、誰でも簡単にってわけには行かないですよね?

もちろん、気をつけるべき点はいくつもあるぞ。第1に、適切な雑草対策じゃな。
雑草種子が多く落ちているようなリスクの高い水田は避け、適切なタイミングでの薬剤防除は必須じゃ。
農薬会社が様々なサービスを出しておるから、初めはそれを利用するのもよいかもしれんな。

草だらけになるのは怖いからね~
あとは、どんなリスクがありますか?

次に気をつける必要があるのは、倒伏じゃな。
特に表面播種になる鉄コーティング湛水直播などは、成熟期にイネが転びやすくなるので要注意じゃ。
施肥量と中干し等の水管理は、適切に行なって貰う必要がある。

やっぱり、そのあたりが不安なんだよな〜。

そうじゃな。
しかし、特に春作業を効率化させたい大規模生産者を中心に、
直播栽培の比率を高めようとするのがトレンドじゃぞ。
全ての田んぼを直播栽培に変えてしまおうとする成功者もおるくらいだからの。
みのりくんも、まずは小さな圃場から始めて見てもよいかもしれんの。

そうですね。
もう少し前向きに考えてみようっと。

2-b. 注意点1:種子単価

いね爺の話を聞いていると、「ハイブリッドとうごうシリーズ」っていいことだらけですね。
そんな品種なら、全部これに変えてもいいくらいに思えますが。

そうじゃろう。じゃが、もちろんこの品種にも注意しなければならないポイントが、いくつかあるぞ。
まず、種子の値段がJAが販売している一般品種と比べると8-10倍の単価が設定されておる。
非常に高級な種子ということになるの。

8-10倍って、暴利を貪りすぎじゃないですか??

そう言われると、とほほじゃな。
じゃが、「ハイブリッドとうごうシリーズ」はF1品種じゃから、
種子の生産効率が一般品種と比較して低いんじゃよ。
民間会社が開発から種子生産まで、公的資金に頼らず行おうとすると、
これくらいの金額になってしまうんじゃ。

日本では、公的機関が種子を供給するのが当たり前になっているからね。

それは生産者を守る意味では、とても良いことじゃぞ。
じゃが、そうした種子と比べて高価であっても、多収によってより大きなメッリトを得られる製品として、「ハイブリッドとうごうシリーズ」という種子を提案をしているわけじゃ。
事実、多くの生産者が「ハイブリッドとうごうシリーズ」のメリットを感じ、利用してくださっておるのじゃからの。

最終的には、私達生産者の手取りが増えるってわけね。
播種密度や移植時のかき取り本数を調整するなどして、効率的に使用することもできるからね。

次に気をつける点として、栽培上の注意点の話をしていこう。
まず重要な点として、「ハイブリッドとうごうシリーズ」は障害型冷害耐性が低いということがある。
穂孕み期に低温になるリスクの低いエリアでは、あまり気にする必要は無いかもしれんがの。

2-c. 注意点2:障害型冷害耐性と登熟性

なるほどね。
その他、栽培上の注意点はありますか?

そうじゃな。穂が長い分、登熟に時間がかかることは、頭に入れておいたほうが良いじゃろう。
初年度の生産者が経験した減収の多くが、早刈りに起因しておる。
時期にもよるが、同時出穂する一般品種の1−2週間は圃場に長く置いたほうがよいはずじゃ。

なかなか、気が抜けなさそうですね。
でも、たくさん収穫するためには頑張ってみようかな。

慣れてくれば、コツが掴めてくるそうじゃ。
以上の点に注意して、超多収を実現させて欲しいぞい。
目標反収は15俵じゃ!

○本日のまとめ

  • ハイブリッドとうごうシリーズは、直播栽培における苗立ち性に優れ、乾田直播、湛水直播のいずれにおいても、利用価値の高い品種群である。
  • 種子単価が一般品種の8-10倍であり、かなり高価な種子である。しかしながら、多収によりより多くの玄米を生産することができるため、生産者メリットは大きくなる。
  • 栽培上の注意点としては、障害型冷害に感受性があること、登熟に長い時間がかかることである。品種特性を正確に把握し、適切な栽培方法を採用することで、反収15俵を目指しましょう。

品種紹介_ハイブリッドとうごうシリーズの第2回目はここまでじゃ。
第3回目は、新シリーズ「第2世代ハイブリッドとうごうシリーズ」のことを説明するぞ。

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